2024年3月2日~10日は「AYA WEEK」です!
2024年3月2日~10日はAYA世代の“ガン”について想う「AYA WEEK」です! *AYAとは「Adolescent and Young Adult」の略で「思春期と若年成人」の意。一般的に15~39歳を指します。 ◇日本人の2人に1人は罹患するといわれる病気「ガン」、WEBの中からお一人のAYA世代治療経験者の声をご紹介します。
〖Cさん(男性):発症年齢16歳(悪性リンパ腫)〗 ~がんの闘病生活を経て医師になることを決意~
①発見の端緒…咳が2ケ月くらい続き病院に。CT、レントゲンを撮ると大きな影が
最初は風邪のような症状でした。咳が1カ月続き、大好きなテニスをしても息切れするようになり、食欲も落ちてきました。その後も咳は治まらず2ケ月に入り病院を受診、CT、レントゲンに異状が。翌日、がんセンターへ行き生検され、小児がんであると告げられました。病名は悪性リンパ腫、ステージⅢ。腫瘍は空気の通り道の前にあり、空気の通り道が潰れると呼吸ができなくなってしまうため、緊急入院となりました。
②治療経過…ステロイド投与、抗がん剤治療と8ケ月の入院
まずは1週間、ステロイドを投与して腫瘍を壊すんです。そのあとに使う抗がん剤は白血病に使う薬と同じなのですが、脱毛、気持ち悪さ、だるさ、といった副作用がありました。独りの世界に入り込んでしまうとよくないからと、途中から4人部屋に移動。小児病棟には赤ちゃんから20歳の人まで、さまざまな年齢の患者がいます。4人部屋に移ってからも基本的に閉じこもっていたのですが、同室の小さな子が朝からカーテンをシャーッ!と元気よく開けて「遊ぼうよ」と言ってきましたが、元々子ども好きでもなかったので最初は少し戸惑いました。でも、8ケ月もの長期入院生活で病気を受け入れて前を向いて明るくしている子たちを見て、感じたことがありました。
友だちになった子の中に小5の男の子がいました。治療の副作用で脱毛して髪の毛もないけれど、底抜けに明るいんです。明るい表情の裏で、実は足を切断するという厳しい決断を自ら選択していました。そうか、彼らも病気を受け入れて、自分で考えてそのうえで明るくしているんだ、と気づき、ぼくもこれではいけない、見習わなくては、と思いました。入院中、子どもたちの姿に励まされ、医師になろうと決めていました。小児がんの子どもたちがこんなにいっぱいいるとは知らなかったし、自分自身も助けてもらったから、絶対に彼らの助けになる仕事がしたいと思い、医者になると周りに公言していました。
高2の夏に復学してからも高3まで治療は続き、外来で2週間に一度通院。薬を飲むと副作用で、勉強に集中できない時期もありました。髪の毛の脱毛は帽子で隠していました。今は男性用のウィッグもありますが、当時はなかったんです。
大学入学後は妻との出会いもありました。結婚後、1男1女の子も授かりました。今は、自分が治療を受けた当時の主治医のもとで働いています。命の恩人が、医学の師匠にもなりました。とても信頼しています。医者になりたいという夢を伝えたら、医者になるにはどうしたらいいかというのを入院中から教えてくれたのです。
③経済的負担…公的保障の頼れなくなる
お金の面で問題だと思うのは、子どものころは公的な保障が充実しているのに、AYA世代になると急にその保障がなくなってしまうこと。収入もまだまだ少ない時期ですし、お金で命が左右されることになりかねません。
👉がんになると、支出が増えるだけでなく、収入が減る場合もあります。公的健康保険に加入している被雇用者の場合は、休職期間中も一定の傷病手当が出ますが、自営業の人は仕事を休むと直接収入に響いてきます。特に、一人暮らしの人や自分が家族の中の主たる稼ぎ手である人は、生活自体が苦しくなることもあり、治療と収入確保の両立に葛藤する声も聞かれました。
=<参考>ガンを防ぐための新12ケ条(がん研究振興財団)=
1.たばこは吸わない 2.他人のたばこの煙を避ける 3.お酒はほどほどに 4.バランスのとれた食生活を 5.塩辛い食品は控えめに 6.野菜や果物は不足にならないように 7.適度に運動 8.適切な体重維持 9.ウイルスや細菌の感染予防と治療 10.定期的ながん検診を 11.身体の異常に気がついたら、すぐに受診を 12.正しいがん情報でがんを知ることから